年末調整は、給与所得者の所得税額を正確に計算し、源泉徴収税額との過不足額を精算する手続きです。令和6年分の年末調整では、6月から実施された定額減税(所得税分:1人あたり3万円)にかかる「年調減税事務」が必要になります。
年調減税事務においては、従業員から提出された「扶養控除等申告書」や「基礎控除申告書」「配偶者控除等申告書」等をもとに、年末調整時点において定額減税の対象となる従業員、同一生計配偶者、扶養親族の人数等に変更がないかを確認し、減税額を確定します。
以下に該当する場合には、注意が必要です。
○令和6年6月2日以後に採用した従業員
○令和6年6月以後、結婚・出生などがあった従業員(同一生計配偶者・扶養親族分)
○給与所得以外の所得を含めた合計所得金額が1,805万円を超えた従業員
○同一生計配偶者・扶養親族ではなくなった人(就職、離婚、所得が48万円超等) など
年末調整において確定した減税額等は、「給与所得の源泉徴収票」の「摘要」欄に記載することが必要になります。例年よりも早めに手続きを進めましょう。
経営において、お金を回収する「請求業務」は非常に大事です。一方で、「納品書等から請求書に転記する際に記載ミス・計算間違いをしてしまった」「取引先から『請求書の内容がインボイスの記載要件を満たしていないので再発行してほしい』と言われた」「請求時に『売れ筋商品』『商品の売れ時』をチェックしたいが、管理が煩雑」といった経験はありませんか。「請求業務のデジタル化」で、これらのミスや手間、コストを削減しましょう。
「請求業務のデジタル化」には、FXクラウドシリーズ「販売管理機能」が便利です。売上伝票を作成すると同時に①納品書・請求書等が作成できる②仕訳も自動計上される──などの特長があるため、請求書発行時のミス・モレが起きづらくなります。その上、インボイス制度にも完全対応。また、商品ごと・取引先別の販売管理データから「売れ筋商品」「よく売れる月」「安定して入金してもらえている取引先」を「見える化」。「何が・いつ・どれだけ・誰に」売れているかがいち早く把握できるため、販売戦略のヒントがつかめます。
請求書をPDF化してメールで送信している企業では、よりデジタル化を追求した「ペポルインボイス」の利用も視野に入れてみましょう。請求業務のデジタル化がさらに加速します。
「株式の保有者」=「株主」の権利は「財産権」と「経営権」。自社株式の大半を経営者が保有している中小企業では、これらを普段の経営で意識することは少ないかもしれませんが、特に事業承継時には重要になります。「いつ」「どのタイミングで」「どのくらいの株式を渡すのか」について、財産権と経営権を考慮しつつ、長期的な展望で後継者に渡す(贈与する)ことが重要です。自社株式の贈与の前には、①自社株評価②名義株等の整理③株式譲渡制限の有無の確認――をしておきましょう。
多くの場合、事業承継における自社株式の贈与は「暦年課税制度」「相続時精算課税制度」で行いますが、令和9年12月31日までは、「特例事業承継税制」を活用することも可能です。
複数年にわたる贈与は、毎年、自社株式の評価を行い、計画性をもって慎重に進めることが必要です。
中小企業者が新たな設備を取得し、指定された事業にそれを利用すると、即時償却または取得価格の最大10%の税額控除という優遇が受けられる税制です。
新規事業へ挑戦を目指す中小企業の設備投資を促進を支援します。
補助率1/2
補助金上限額 最大9,000万円 (従業員数により変わります)
補助対象経費:建物費、構築物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費
生産性向上特別措置法において措置された、中小企業・小規模事業者等が、設備投資を通じて労働生産性の向上を図るための計画。
認定を受けた場合は、税制支援などの支援措置を受けることができます。このたび固定資産税特例が見直しされました。
・税制支援:固定資産税の軽減
・金融支援:資金繰り支援
金融機関から融資を受ける際、信用保証協会による保証のうち、普通保険等とは別枠での追加保証が受けられます。
売上高100億円を目指す中諸企業に対して設備投資を補助します。
・補 助 対 象 者 :売上高100億円への飛躍的成長を目指す中小企業
・補助事業実施期間:交付決定日から24ヶ月以内
・補助事業の要件 :①投資額1億円以上(専門家経費・外注費を除く補助対象経費分)
②「売上高100億円を目指す宣言」を行なっていること
③その他、賃上げ要件 など
・補助対象経費 :建物費、機械装置等費、ソフトウェア費、外注費、専門家経費
日本政策金融公庫さんから4月3日付けで「米国自動車関税措置等に伴う特別相談窓口」を全支店に開設されています。
・制 度 : 経営環境変化対応資金
(*農林水産事業:農林漁業セーフティネット資金(一定要件あり))
・融資限度額: 国民生活事業 4,800万円
中小企業事業 7億2千万円
農林漁業 600万円(特認制度あり)
・融資期間 : 設備資金 15年以内(措置期間 3年以内)
運転資金 8年以内(措置期間 3年以内)
農林漁業 15年以内(措置期間 3年以内)
https://www.jfc.go.jp/n/release/pdf/topics_250404a.pdf
岐阜県、愛知県、名古屋市、岐阜市の各信用保証協会に直近決算期において一定の財務要件を満たしている場合に、
経営者保証の提供を不要とすることができる保証協会の制度融資があります。
活用のご検討を。
・制 度 : 財務要件型無保証人保証
・融資限度額: 2億8千万園
・融資期間 : 設備資金 10年以内(措置期間 1年以内)
運転資金 7年以内(措置期間 1年以内)
一括返済 2年以内
・貸付金利 : 金融機関所定金利
①協会けんぽの社会保険料率及び介護保険料率が3月(4月納付)から改定されます。
改定後の健康保険料率
岐阜県 9.93% 愛知県 10.03% 三重県 9.99%
全国健康保険協会サイトをご確認ください。
②雇用保険料率が4月1日から改定されています。
・一般事業者 改定後 労働者負担 5.5/1000
・農林水産・清酒製造事業者 改定後 労働者負担 6.5/1000
・建設事業者 改定後 労働者負担 6.5/1000
減価償却とは、時間の経過や使用などによって価値が減少していく固定資産(=減価償却資産)の購入費用を、
一度に経費として計上するのではなく、使用可能期間(耐用年数)に応じて、分割してその年分の経費として計上する
会計上のルールの1つです。
「費用収益対応の原則」に基づくもので、正しい期間損益を計算するために行われます。
また、減価償却費は税法で規定された耐用年数に応じた期間にわたって、定額法や定率法に基づいて計上する
ことが一般的で、損金(必要経費)として認められます。
なお、少額な減価償却資産の場合は、税務上、一時の損金算入が認められています。
○使用可能期間が1年未満のもの、または取得価額が10万円未満のもの
→「消耗品費」等として、購入したその期に一括で費用計上できる。
○取得価額10万円以上20万円未満の減価償却資産(一括償却資産)
→「一括償却資産」として3年均等償却できる。
また、中小企業(青色申告法人・個人)の場合、取得価額が30万円未満の減価償却資産を年間合計300万円まで、
全額その期に費用計上することができます(中小企業の特例)。
今期は売上も順調に伸び、利益も前年より増えているにもかかわらず、決算書を見ると資金(現金預金残高)は減少している。
まるで、帳簿の中で資金が消えてしまったかのような「不可解なミステリー」です。
利益と資金は、まったく異なるルールと流れの中で動いています。例えば掛取引の場合、売上が立った時点で帳簿には収益が計上されますが、
実際に資金が増えるのは売掛金が回収された後です。同様に、仕入が計上されても、買掛金の支払いが済むまでは資金は減りません。
会計上の収益・費用と、実際の入出金のタイミングのズレこそが、利益と資金が一致しない理由なのです。
発生主義など会計の仕組みへのあいまいな理解から生まれた「利益=資金」という誤解や、帳簿上の利益がそのまま現金預金として存在するはず
──との思い込みこそが、「利益はあるのに、どうして資金がない?」事件の真相です。
利益を上げることは重要ですが、それだけでは十分ではありません。資金の流れを読み解き、資金繰りの改善に取り組むことが健全な経営の第一歩です。
「年収の壁」の見直しで、所得税の還付を受ける人が増えるとされている今年の年末調整。従業員本人はもちろん、
その配偶者や扶養親族の年収・年齢など、確認すべき点は例年より増えているため、「去年と同じ」ではNGです。
従業員に、年末調整に必要な各種申告書の入力方法(書き方)を説明する際に正しく伝えられるように、混同しやすい
「年収(年間給与収入)」と「給与所得」の違いをまずは確認しておきましょう。
○年収(年間給与収入)…1月1日から12月31日までの1年間に、会社から支払われる総支給額のこと。
税金や社会保険料等が引かれる前の金額を指す。
○給与所得…年収(年間給与収入)から給与所得者の「必要経費」とされる「給与所得控除」を差し引いたもの。
その年の収入が給与所得のみの場合、給与所得=合計所得金額となる。
従業員から提出を受けた基礎控除申告書・配偶者控除等申告書・特定親族特別控除申告書をチェックする際、
令和7年度税制改正により給与所得控除額と基礎控除額が見直されていることに留意が必要です。